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池田 里香子のコラム:: ホスピタリティ・コンシェルジュの研修、講演、セミナー 企画・主催・運営・実施等のマリテーム池田 里香子が綴るコンシェルジュ・コラム

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おとぎと美食の街 アルザス地方への旅 No.2

投稿日: 2008年05月20日 01:13

前回に引き続き、アルザス地方の旅のご紹介です。コルマールとミシュラン三つ星レストラン「オーベルジュ ド リル-L'Auberge de l'Ill」についてお話します。

木組み-コロンバージュの家並みが素晴らしいコルマールは、アルザス地方を代表する美しい街。その歴史は、イタリアとフランドルを結ぶ街道上にあることで、ワインの交易で栄えた。その富の象徴と言われる豪商が建てた中世からルネッサンスに至る建築、館が残されている。現在ホテルとして使用されている105ものの顔が建物の表面に付いている「ラ メゾン・デュ・テット」-La Maison de Tête、プティット・ヴェニーズと呼ばれる運河沿いに建つ「ル・マレシャル」-Le Marechalがその代表。
今回は、「ル・マレシャル」-Le Marechalに宿泊。元フランス共和国大統領、シラク氏も宿泊された。
オーナー一家が大の音楽好きということで、各部屋にそれぞれ作曲家の名前が付けられている。
私の部屋は、「ベルリオーズ」、シラク元大統領は、「ワグナー」に泊まられた。
ロマンティックで誰もが足を止め、写真を撮りたくなる、そんな素敵なホテルだ。13世紀の修道院跡に芸術品を展示しているウインターリンデン美術館では、16世紀の宗教画の頂点とも言われている
グリューネヴァルトの「イッセンハイムの祭壇画」がある。ペスト撲滅の願いを込め聖アントニオに捧げられた作品だ。
有名な「自由の女神」の作者-バルトルディもコルマール出身。

アルザス地方最高のレストラン、「オーベルジュ ド リル-L'Auberge de l'Ill」ではランチを頂いた。
イローゼンという小さな村に建つ、4代にわたり受け継がれた来た老舗のオーベルジュ。イル河の流れが美しい。1957年にミシュランの2ツ星を獲得。1967年より現在に至るまで3ツ星を維持している。
アルザス地方の伝統的食材と、郷土料理をベースに独創的な料理を提供している。かえる料理も有名で、創業者、ポール・エーベルラン-Paul Haeberlin氏の名前が付いた「 La mousseline de grenouilles」は看板メニュー。

このほど、名古屋に続き東京、西麻布に、オーベルジュ ド リル トーキョー-がオープンした。
そんな嬉しい知らせと共に悲報も。オーベルジュ ド リル-L'Auberge de l'Illの創業者で、シェフを務め、後継者の代にその役目を譲った後も、レストランの顔として客人をもてなしていた伝説の料理人のその人、ポール・エーベルラン氏が5月10日、84歳の生涯を閉じた。ランチを頂いた際に、各テーブルを廻り、丁寧にご挨拶をしてくれたエーベルラン氏の優しく、美しい笑顔は今でも脳裏に残る。オーベルジュ ド リル-L'Auberge de l'Illを一から育てたその功績を心から賞賛し、又エーベルラン氏のご冥福を祈りたい。


コルマールのホテル ル・マレシャル


オーベルジュ・ド・リルのあるイローゼン村


シェフと!